日本の大学教授様来訪ある日突然日本の某私立大学の教授様とやらがうちの学校に「視察」にいらっしゃった。これからの少子化うんぬんに備えてアメリカの大学の良いところを取り入れて より魅力的な大学づくりをするそうである。 その教授様はうちの学校のエラいさん何人かと「面会」をしていった。 あとで話しを聞いたらはたして本人がどれだけ理解していたか はなはだ疑問だったそうである(英語の問題)。 自分も話す機会があったので話を聞いてみたら、なんだか研究水準をあげて 文科省の「21世紀COE(卓越した研究拠点)プログラム」に食い込もうとしているらしい。 そして研究はもちろんのことカリキュラムもアメリカの大学をモデルにした改革を行って 大学の魅力をアップしたい、なんてことも力説されていた。 たしかに理念の崇高さはすばらしいと思うが・・・しかしてはたしてその学校に それだけの余力があるのだろうか。ちとHPを見させてもらったらここ何年かの倍率は 0.8 倍・・・。 「教育うんぬんよりも、今は「経営」を学ばれるべきでは?」と言いたくてしょうがなかった。 日本では大学はあくまでも学術研究の場というイメージが強く、ところが実際には その体面を保つためにお茶濁しの研究をやっているケースが多いような気がする。 大学院も「研究をやってるんだよ~ん」っていうことを言いたいがために 無理矢理維持しているようにしか見えなかったりする。 アメリカの場合けっこうはっきりと Teaching institution (教育型大学)と Research institution (研究学大学)にわかれている。 Teaching institution はべつに研究をやってないことは引け目に感じてないと思う。 むしろプライドをもって「教育」に力を注いでいるように見える。 総合ランキングになるとどうしても研究型大学のほうが上になってしまうが、 たとえば「教育の質」のランキングだとハーバードはかなりランキングが低いことは あまり知られていないと思う。 なにはともあれアメリカの Teaching institution はいい意味での開き直りが できてるような気がする。 というわけで話はその某私立大学に戻るが、シロウト考えでは研究部門や大学院は 真っ先にカットするべきでは? これを維持する体力はもうないだろう・・・。 と、思ったらここにひとつ落とし穴。 大学院をなくすと国からの補助金が大幅カットされるそうで、むしろ経済的問題を さらに悪化させる可能性があるとのこと。う~ん、ようするに日本の大学は多かれ少なかれ 金銭的にお上におんぶにだっこだから、その硬直化したシステムのおかげで にっちもさっちもいかなくなってしまうこともあるのね。なかなか難しい問題である。 さてさて、その教授様が視察されるのはここの大学だけではない。 全米何校かをまわられるようで、ここの町でも教授様なだけに町一番のホテルに 泊っていかれた。たぶんものすごい予算を使っているのだろう、この視察に。 なんせ大学の命運がかかってるのかもしれないんだから。 私立大学の1/3は定員割れしているといわれている昨今(その一方で毎年新設校が 開学しているというのもびっくり)これから日本の大学はどうなっていくのだろう・・・。 ブログHOMEに戻る |